万物理論

去年1回読んだのだけど、解らないところが多かったので再読。結局よく解らないところはそのままなんだけど、1回目に読んだ時よりさらに面白く読めました。
よく解らないというか納得できないとろは、基石がTOEを理解していることで宇宙が存在する(?)と言う部分。宇宙消失で人間が観測することで云々っていうのがあって、あれに似た感じのことじゃないかと思うんですが、どうも納得できません。基石がTOEで定められる宇宙の中に(間違いなく)いると言う感覚がよくわかりません。さらに理解したと言うことが、どういう状態を指すのかも掴めませんでした。理解するだけで、そこから全てをシミュレーションする必要などないのかとかそいう感じのことです。情報との一体化の部分もよく解っていません。TOEを理解することとの関連性が特にわからなかったんですが、これは解らない物との関連性なので解らなくて当然と言う感じで読んでたのでもう一回読んだ方がいいかもしれません。
小説の一番の肝の部分は、私がよく解っていない部分だと思うんですが、盛り沢山な小説なので他の部分も面白かったです。1回目に読んだ時は自閉症患者とかHワードとかの部分が、特に印象的でした。ただ、この部分は2回目では冷静に読めました。2回目に読んで気になったのは、色々な部分で科学的なことを肯定し神秘等を否定して真実と言う言葉を多用している部分でした。バランスを取らない辺りが気持ち悪いです。ただし、これは当然イーガンをおかしいとか批難を感じるのではなく、とにかくすごい小説だなということです。

万物理論 (創元SF文庫)

万物理論 (創元SF文庫)