金曜日

夏の、それも金曜の夜。電車の中、彼女は座っている私の前に立っていました。私は彼女のことを、かわいいなと思って、つい何度かこっそりとチラ見しました。隣の席が空いて彼女は私の横に座りました。そのまま眠り、いつの間にか私の方に寄りかかってきます。重力の力だけではないような力が、私の肩にかかっていました。彼女は途中で目を覚まして携帯を確認します。そしてまた私に寄りかかってきました。そのまま終着駅に着きました。彼女は一度下車しておいて、折り返す電車に再び乗っていきました。